2014年03月27日

こんなに長くオーストラリアにいる理由

2014年3月26日

オーストラリアに引っ越してから17年は経っている。こんなに長く、とも思うが、振り返ってみればあっという間だった。もう両親もいなし、この3月で東京の実家も処分してしまったので、日本に帰る場所もなくなってしまった。(両親の 墓はあるけど、墓は「帰る場所」って感じじゃないねえ)。
それと、たまたま実家の処分と同時になったが、19歳の娘が、 大学に入ったのをきっかけにオーストラリア国籍を取る事になった。つい昨日その為の「国籍テスト」(citizenship test)というのを受験してきたが、100点だったと喜んでいた。まあ、娘は大学で歴史を専攻しているから、「オーストラリアを最初に発見した西欧人は誰?」とかいう質問は簡単だったに違いない。
娘もオーストラリア国籍を取るし、東京の実家もなくなるし、僕とオーストラリアの関係はいよいよ密接になる一方だ。で、よく聞かれるのは、「ずっとこのまま死ぬまでオーストラリアにいるつもり?」ということだ。答えは「そんなこと、分からないよ」である。
僕は幸運なことに、仕事やらいろいろで、年に2、3回は日本に帰っているから、それほど日本恋しのホームシックにもかからない。「ああ、オーストラリアにいるのも飽きたなあ」と思う頃、ちょうど日本に帰る用事ができる。でも、東京に2週間もいると、オーストラリアに帰りたくなる。というか、オーストラリアの緑と、家族のいる自分の家が恋しくなる。

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この間、成田空港でホラ貝を吹いていた男の人

東京の実家がなくなったので、3月初旬に2週間ほど帰国したときは、弟の家と妻の実家と単身赴任中の友達の家に滞在させてもらった。弟も、妻の実家も、友達の家も、どこも気兼ねがいらないので気楽だった。中でも、単身赴任の友達の家が一番気楽だったなあ。男2人で鍋なんか食いながら晩酌したりして。

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実家からメルボルンに持って来た、子ども時代からあるスキヤキ鍋

50面下げて情けないが、実家がなくなったのは寂しい。でも、それ以上に嬉しかったのは、東京の友達や知人が「今度帰った時は、ぜひ我が家にも泊まって下さいね」と口を揃えて言ってくれたこと。これからは、そう言ってくれる友達が僕の故郷なんだなって思った。
オーストラリアに17年もいて、どうしてここにこんなに長くいるんだろうと自分でも不思議に思う。絶対的にここにいなくてはならない理由もなかったし、もし日本にいたら、今頃もっと売れっ子作家になっていたかもしれない(そんなわけないだろうが!)。

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ガンジーの真似をしているインド系英国人の友達と、インド人の真似をしているフランス人の友達

で、ここにいた理由の一つは、友達がたくさんできたからだろう。日本人の友達もたくさんいるし、オーストラリア人や他の国籍の友人もたくさんいる。これから新しい土地に行って暮らすのもエキサイティングだとも思うけど、こんなにたくさん友達ができるかな? あるいは、日本に戻ったとしても、昔の友達との間に前と同じような友情が復活するかもどうかも分からないし、東京に限って言うならば、もうあそこで長くは暮らせないなあ。

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Flower and Garden show会場のエグジビション・ビルディング

関係ないが、2、3日前メルボルンのシティで「Flower and Garden Show」という催しがあったので見て来た。 僕は生け花をやっていて、その仲間とそこに作品を出品したから、それを見に行ったわけだけど、それ以外の展示物もとても面白かった。こういう催しは引退した年寄りのものだと思っていたが、行ってみたらそんなことはなくて、もっとずっと楽しかった。(年寄りも多いは多かったけど。) とにかく、きれいな花や、庭や、農機具やなんかを見ていると、うきうき楽しくなってくるし、それを見ている人たちみんながニコニコしてとても幸せそうなことが一番良かった。
僕は、花とか木とかにそれほど気にかけないでこれまで生きてきたけど、これからは生活の真ん中に植物を置いて、その周りでニコニコしながら生きたいと思ったくらいだ。

こんなオフィスもいいねえ.jpeg
こんなオフィスもいいねえ

Flower and Garden Showを見た後に、天気も良いのでメルボルンの街をぶらぶら歩いていたら、この間日本に帰った時、飛行機でとなりの席に座っていた少年にばったり出くわした。 そのE君は、日系スウェーデン人で、メルボルン大学で工学を勉強している。とてもニコニコで感じの良い若者だったからすっかり意気投合して、フライト中に話しこんでしまったのだった。 E君には、もう二度と会わないだろうと思っていたので、街でばったり会えてとても嬉しかった。それで10分程立ち話をして別れた。

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仲間と僕が出品した生け花作品。(材料は、菊と竹)

 その後、電車に乗って家に帰ったのだけど、そうしたらBox Hillという駅で電車が故障で立ち往生した。その間、暇だから前の席に座っていた中国人カップルと話し始めた。2人は北京から新婚旅行でメルボルンに来ていて、我が家の近くのパッフィンビリーという蒸気機関車に乗りに行くところだと言う。あまり英語もできないので、半分は漢字で筆談。でも、漢字の筆談って、けっこう盛り上がるんだよね。
 それで、やっと電車が動き始めたのはいいが、彼らは電車が遅れたせいで、わざわざ我が町ベルブレーブまで来たのに蒸気機関車に乗り遅れるはめに。せっかく北京からきたというのにそれじゃあ気の毒だ。そこで、僕は駅の駐車場に停めてあった自分の車に2人を乗せて、蒸気機関車を大追跡した。もちろん蒸気機関車よりも車の方が早いから、ついに二つ先のエメラルド駅で蒸気機関車に追いつき、新婚旅行の2人を乗せてやった。
 「謝、謝! 北京でまた会いましょう!」そう言って2人は機関車に乗って行ってしまったが、考えてみたら名前も連絡先も聞いてなかったなあ。まあ、それでもどこかでまた会うかも分からない。
その一日は、Flower Garden Showに行ったり、E君にばったり出会ったり、中国の新婚さんと知り合ったりしていて、何だか良い1日だったな。
それで気がついた。僕が、なぜこんなに長くオーストラリアにいる理由を。それは、ニコニコしている人がたくさんいるからだ。そうでなかったら、多分僕はここにそんなに長くいなかっただろうし、これからもここにいようとは思わないだろうね、きっと。
posted by てったくん at 20:01| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
この前のお話、サイコーに面白かったですよ
( ´∀`)/~~

ご実家片付け中の大発見!

あちこち行き来できるの、羨ましいな➰ーー。

Posted by mickey♪ at 2014年04月18日 00:44
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